
事前準備が万全なら初心者でも登れるのが富士山のいいところ。ここでは基本的な4つの登山口の特徴などをご紹介。
富士登山が他の登山と圧倒的に違うのは、毎年7〜8月の短期間に22万〜23万人もの人が登るということ。各登山口には山小屋(シーズン営業)が多く立ち、食事や休憩、宿泊ができるから重装備は必要なく、各登山道も一本道なのでよほどのことがないかぎり迷うこともない。
ただし「それなら富士山は観光気分で登れるのか?」というと、そうではない。富士山はいうまでもなく日本一の高山だから、環境や気象だけでも麓とは大違い。真夏でも、山頂での体感温度はほぼ零度!高度障害や慣れない登山での疲労など、乗り越えるべき障害は多い。晴れて山頂に立つには、それなりの準備を整えるのが、成功の第一歩なのだ。
初心者なら、旅行会社主催のツアーや現地発ツアーに参加するのもひとつの手。持ち物や行動マナーなどの基本も教えてくれ、山小屋手配などの心配もない。
首都圏から最も行きやすく、山小屋のキャパシティも多い人気ナンバーワンの登山道。東京、名古屋などから五合目まで直通バスがあり、全18軒と各登山道のなかで山小屋が最も多く、初心者でも安心して登れる。
また、五合目にはレストハウスや売店などの施設が並び、万が一の装備の補充にも便利だ。六合目以上ならどこからでも御来光が仰げるのも人気のゆえんだ。
ただし人気コースゆえに土・日曜、祝日は混雑が激しく、五合目に向かう富士スバルラインから大渋滞が始まることも…。登下山道も込み合うことが多く、最も時間がかかる。

登山口の標高が最も高く、頂上への最短ルート。西日本方面からの登山者も多く、新幹線や東名高速道路からのアクセスがよい。
また、日本最高所(3776m)の剣ヶ峰まで、登山口のうちで最も近く、山小屋の収容力も、吉田口・河口湖口に次いで多いのも魅力。登山途中に、富士山の側火山である宝永火山の火口も見ることができる。
ただし、登山道は一直線で急登が続くため、高度障害には特に注意が必要。八合目以上でないと登山道上からは御来光が見られないことや、登山道と下山道が同じなので変化がなく、混雑しやすいのが考えものだ。

本八合目で吉田口・河口湖口と合流し、下山の砂走りが人気のルート。五合目付近は富士山では珍しい緑豊かな樹林帯なので日陰があり、花や緑が心を和ませてくれる。
登山者が比較的少なく静かなのが特長で、河口湖登山道と合流する八合目までは山小屋もすいていることが多い。ご来光は七合目以上で見られる。また、下山道の砂走りは足の負担も少なく、短時間で下れる快適ルートだ。
ただし、五合目がほかの登山口と比べてやや低く、歩く距離が長いのが考えもの。駐車場がほかと比べて狭く、ハイシーズンには早めに確保する必要がある。

登りが長く健脚者向けだが、下山は大砂走りで楽々下れるのが魅力。週末でも登山道があまり混雑しないから、静かな登山が楽しめる。また、ハイシーズンでも道路規制がなく、駐車場もすいているのがマイカー利用者にはうれしいところ。
下山ルートは大砂走りで効率よく下れ、宝永山に足をのばすこともできるので、下山時のみ利用する人も多い。
ただし、五合目の標高が最も低いため標高差は2300mあり、樹林帯もないので快晴時は直射日光が照りつけるのが難点。ルートの途中に山小屋が少ないため、休憩がとりにくいので、初心者は注意しよう。



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