本州の山々の花たちが、まだ雪の中に眠る3月下旬、日本海に囲まれた佐渡島では、いち早くオオミスミソウやフクジュソウたちが一斉に目を覚まし、佐渡に春の訪れを知らせる。
とりわけ雪割草とも呼ばれているオオミスミソウは、花びらに見えるガク片の色が多彩で、その群落はまるで宝石箱をひっくり返したような色彩に溢れている。このオオミスミソウに手軽に出会えるのが、大佐渡山系のドンデン山周辺と登山ルートになっているアオネバ渓谷。
オオミスミソウは山麓から順に山を咲き上り、5月上旬頃まで楽しむことができる。その間に、カタクリ、エゾエンゴサク、ニリンソウ、キクザキイチゲなど春の陽光を浴びて花を開かせ、花が終われば一瞬のうちに消え去ってしまうスプリング・エフェメラル(春のはかない命)たちが次々に咲きだし、山腹の林の中は、まさに花の島と呼ばれるにふさわしい景観が見られるのだ。
ドンデン山へ登るアオネバ登山口までは、両津港から車でわずか15分ほど。登山口からアオネバ十字路を経てドンデン山荘までは約2時間40分、渓流に沿って花たちを愛でながらの楽しい登山路だ。ドンデン山の周辺を散策するなら直接車でドンデン山荘まで行くこともできる。
アオネバ渓谷の登山路や尾根筋で群落が見られるシラネアオイが終わるとレンゲツツジやハクサンシャクナゲへと花のシーズンは移り変わっていく。
花の時季の大佐渡山脈の尾根筋は春まだ浅き風情。そんな枯草色の草原にも、小さな花々が咲いている












