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京都人が集い親しむ普段使いの名店、名所。知らなければ行けないそんな「素顔の京都」を、ほんまもんを知る達人・京都のエッセイスト柏井壽さんにご案内いただきました。 ー連載ー京都人・柏井壽さんが選んだ京都の「ほんまもん」 第2回(全12回)

素顔の京都に出会えばほんまもんが見えてくる
京都、それは言うまでもなく観光都市である。故に、観光客を愉しませる為の店や施設が数多く存在する。だがそこに、ほんまもんの京都を見かけることは殆どない。観光客向けに厚化粧したところではなく、素顔の店や食にこそ、ほんまもんの京都が潜んでいる。
普段着の京都、それは多く京都人が集う場所に有るが、決して観光客を拒むものではない。むしろ、観光客が混在することを、京都人は愉しんでいるフシすらある。京都御苑、鴨川、京都人の憩いの場所は、京都観光に欠かせないところでもある。
カメラを構える観光客に、犬を散歩させながら京都人は言う。
「何処から来はったん? シャッター押したげよか?」
 我が町京都に憧れて訪ねてくれたことを喜んでいる、それがほんまもんの京都人の姿なのだ。“一見さんお断り”“京のぶぶ漬け”そんな神話によって植付けられた排他的なイメージは、普段着の京都を垣間見ることで払拭されるに違いない。
「イノダコーヒ」「ふたば」、普段着の京都人に接すれば、ほんまもんの京都がきっと見えてくる。
PROFILE
柏井壽
かしわいひさし
歯科医・エッセイスト。旅好きで食通。『京都の値段』(プレジデント社)、近著に『極みのひとり旅』(光文社新書)など。テレビ朝日系列の番組「旅の香り時の遊び」の旅監修も担当。

撮影:ハリー中西 水野克比古
協力:JR東海ツアーズ


◆次回は、原生林や夏扇子など「涼」を感じられるほんまもんを紹介予定。お楽しみに。

季節の風を感じられるガーデン席

旧館席は朝の時間を楽しむ常連客でいっぱいだ

入口脇に飾られた赤いミルはイノダの象徴
サックリ海老フライと香り高い濃いめのコーヒでゆったり気分

1 季節の風を感じられるガーデン席 2 旧館席は朝の時間を楽しむ常連客でいっぱいだ 3 入口脇に飾られた赤いミルはイノダの象徴 4 サックリ海老フライと香り高い濃いめのコーヒでゆったり気分
中京区 「イノダコーヒ」のロールパンセット 735円

老舗コーヒ店から始まるほんまもんの京の1日
 あくまで、“コーヒ”である。“コーヒー”ではないのが如何にも京都。繁華街、ターミナル、観光地、あちこちに店があるが、お奨めはやはり本店、それも朝。「京都の朝はイノダで始まる」、そう語る老紳士がいつもの席で、新聞を広げ、ゆったりと朝食を愉しんでいる。その横で、地図を広げ、さて今日は何処へ行こうか。思案すれば、きっと目が合う。


イノダコーヒ本店 イノダコーヒほんてん




DATA
住所:京都市中京区堺町通三条下ル道祐町140 電話:075-221-0507 営業:7〜20時 定休:無休 交通:地下鉄烏丸線烏丸御池駅5番出口より東へ徒歩5分


上京区 「出町ふたば」の豆餅 160円

よそでは味わえない庶民派の美味
 出町枡形。かつてこの辺りは洛街の外れであった。京の街と若狭を結ぶ鯖街道はここが終点。多くの若狭人や都人が行き交い、雛と雅が微妙に混ざり合う街だった。その名残からか、今もこの商店街では、他には無い美味が揃う。「ふたば」の豆餅もそのひとつ。行列嫌いの京都人をも並ばせる素朴な菓子を求めて列につけば、自然と会話が生まれる。「何処から来はったん?」


出町ふたば でまちふたば




DATA
住所:京都市上京区出町通今出川上ル青竜町236 電話:075-231-1658 営業:8時30分〜17時30分 定休:火曜日、第4水曜日(祝日の場合は翌日) 交通:京阪出町柳駅5番出口より西へ徒歩5分
店員さんたちの手でひとつずつ丁寧に形作られ並べられる豆餅。できたそばから売れていく 行列ができない日はない、ほんまもんの人気店

イラスト入りでわかりやすい品書きは、カラフルでキュート

1 店員さんたちの手でひとつずつ丁寧に形作られ並べられる豆餅。できたそばから売れていく 2 行列ができない日はない、ほんまもんの人気店 3 イラスト入りでわかりやすい品書きは、カラフルでキュート


四季折々の美しい風景を望める三門。初夏には青々とした木々が目を楽しませてくれる

歌舞伎「金門五三桐」で知られる三門は1623年の再建で、高さ22メートルという壮大さ

1 四季折々の美しい風景を望める三門。初夏には青々とした木々が目を楽しませてくれる 2 歌舞伎「金門五三桐」で知られる三門は1623年の再建で、高さ22メートルという壮大さ 3 南禅寺周辺には湯豆腐処が点在する 4 近くには琵琶湖疎水分流を通す水路閣があり、涼しげな散策路として親しまれている
南禅寺周辺には湯豆腐処が点在する

近くには琵琶湖疎水分流を通す水路閣があり、涼しげな散策路として親しまれている
左京区 「南禅寺」の三門

都人の暮らしを見下ろす名刹の大門
 洛東の名刹清水寺から洛北銀閣寺へ。なだらかな東山の山裾に沿っては、京都を代表する観光コースだが、ここは又、多くの京都人が愛する散策路でもある。取り分け、哲学の道が始まる南禅寺から北は、疎水の流れに沿って静かな散歩道が続く。途上、是非とも立ち寄りたいのが南禅寺。かの石川五右衛門が絶賛したという都の絶景は必見。都人の暮らし振りを見下ろせる。


南禅寺 なんぜんじ




DATA
住所:京都市左京区南禅寺福地町 電話:075-771-0365 拝観時間:8時40分〜17時(16時30分拝観受付終了) 拝観料金:方丈庭園 大人500円(三門は別途料金有) 定休:12月28日〜31日 交通:地下鉄東西線蹴上駅より徒歩7分
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