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初夏のきらめき 
四季折々の風情や旬の味を大切にする京都のくらし。
そんななかでもとりわけきらめく初夏の「ほんまもん」を京都のエッセイスト柏井壽さんに教えてもらいました。 ー連載ー京都人・柏井壽さんが選んだ京都の「ほんまもん」 第1回(全12回)

京都の街に沁み込んだ「ほんまもん」を見抜く
「ほんまもん」が有るのだから、当然、「にせもん」もある。と言うより、京都の街では、ほんまもんを見つけるより、にせもんに出くわす機会の方が圧倒的に多い。嵐山、清水界隈、有名観光地は言うに及ばず、近頃人気の西陣町家にも、アヤシイ店やモノが溢れている。
 では、「ほんまもん」と、「にせもん」をどう見分けるか。これは意外に簡単。“如何にも”な京都らしさを強く打ち出すのが、「にせもん」の証だ。
 お店の看板、店名より、「京」の字が大きい、或いは、店の人がやたら京都弁を使う。など、必要以上に「京都」してる店はアヤシイ。
 ほんまもん、の京都は、決して「京」を謳わない。謳わなくても、「京」がしっかり沁み込んでいるからだ。
 京都。千二百年の都である。長い歴史を持つ店や場所。そこに、ほんまもんが息づいているのは間違いない。だが、歴史の浅い店にも、ほんまもんは有る。
 京都を訪れて、ほんまもんに出会う旅。観る、触れる、食べる。様々なほんまもんを、これから幾つか紹介していこう。
PROFILE
柏井壽
かしわいひさし
歯科医・エッセイスト。旅好きで食通。『京都の値段』(プレジデント社)、近著に『極みのひとり旅』(光文社新書)など。テレビ朝日系列の番組「旅の香り時の遊び」の旅監修も担当。

撮影:ハリー中西
協力:JR東海ツアーズ


◆次回は、豆腐・コーヒー・豆餅と“豆”をテーマにご紹介予定。お楽しみに。

初夏の風になびく紫野源水の暖簾

銘菓「松の翠」はお遣い物にちょうどいい人気商品

美しく清められた店内には凛とした空気が
初夏の生菓子「富貴草」は、牡丹をかたどったもの

1 初夏の風になびく紫野源水の暖簾 2 銘菓「松の翠」はお遣い物にちょうどいい人気商品 3 美しく清められた店内には凛とした空気が 4 初夏の生菓子「富貴草」は、牡丹をかたどったもの
北大路 「紫野源水」の初夏の生菓子 347円〜

季節の空気を映し出す和の味わい
 花、野菜、行事。京都人が、季節の訪れを感じるものは様々だが、和菓子もその代表。頂き物の和菓子の包みを解き、菓子が現れた瞬間、ああ、もうそんな季節になっていたのだ、そう実感する。
 淡い桃色の春から、青、緑へと、少しずつ変化し、夏の訪れを気付かせてくれる。具象より抽象。形をなぞるのではなく、季節の空気を映し出す。それが京都の和菓子。


紫野源水 むらさきのげんすい




DATA
住所:京都市北区北大路新町下ル西側 電話:075-451-8857 営業:9〜19時 定休:日・祝休 交通:地下鉄烏丸線北大路駅から徒歩10分


中京区 「はふう」のカツサンド 1580円

濃厚な味わいがたまらない京で一番のカツサンド
 京都人は皆、間違いなく牛肉好きである。すき焼きは勿論、カレーもカツも先ずは牛肉最優先。近江、丹波、松阪と、名牛の産地が直ぐ近くに控えているのもその一因だが、薄味好みという印象とは裏腹に、濃厚な味を好む京都人ゆえの事でもある。従って、とんかつよりビフカツ。カツサンドも無論の事。今京都で一番旨いのが「はふう」のそれ。これぞほんまもん。


はふう はふう




DATA
住所:京都市中京区麩屋町通夷川上ル笹屋町471-1 電話:075-257-1581 営業:11時30分〜13時30分、17時30分〜21時30分 定休:水曜 交通:地下鉄烏丸線丸太町駅から徒歩10分
おどろくほど分厚いビフカツと、その肉汁をたっぷり吸い込んだパンがまた旨い。これぞ究極のほんまもん おいしさへの期待も高まるエントランス

香りが食欲をそそるカウンター席には、1人客も多いそう。店内奥にはテーブル席もあり、グループでゆっくりと味わうこともできる

1 おどろくほど分厚いビフカツと、その肉汁をたっぷり吸い込んだパンがまた旨い。これぞ究極のほんまもん 2 おいしさへの期待も高まるエントランス 3 香りが食欲をそそるカウンター席には、1人客も多いそう。店内奥にはテーブル席もあり、グループでゆっくりと味わうこともできる


三條実万、実美父子を祀る梨木神社。舞楽狂言が披露される萩まつりが有名 境内の染井は、京の三名水のひとつで、現在残っているのはここだけ

手水舎の側には染井の水について書かれた立て札が

1 三條実万、実美父子を祀る梨木神社。舞楽狂言が披露される萩まつりが有名 2 境内の染井は、京の三名水のひとつで、現在残っているのはここだけ 3 手水舎の側には染井の水について書かれた立て札が 4 いかにも清らかな水。その冷たさも初夏のごちそう
いかにも清らかな水。その冷たさも初夏のごちそう
上京区 「梨木神社」染井の名水

水の都京都のほんまもんの名水
 京都は水の都である。水なくして、京料理も、京野菜も、京豆腐も、何も生まれてこなかった。水こそが、京都を京都たらしめているのだ。
東山、北山、西山、三方の山から流れ出る水。更に、京都盆地の地下にある巨大な水甕から湧き出る水。その一つがこの、「染井の名水」。滾々と流れ出る水こそが、京都のほんまもん、だ。ひと口含めば甘露、まさに妙なる味わい。


梨木神社 なしのきじんじゃ




DATA
住所:京都市上京区寺町通広小路上ル染殿町680 電話:075-211-0885 交通:京阪電鉄出町柳駅から徒歩10分

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