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ー連載ー 京都人・柏井壽さんが選んだ 京都の「ほんまもん」第12回(最終回) 春 はんなり 桜便りが届く頃、京都の街は華やぎを増します。静けさのなかにも存在感のある京の花を愛でませんか。

朝と夜の桜散策で京都のほんまもんに出合う

 京都の空気を表す代表的な言葉に「はんなり」がある。
「はんなりしたお召しどすなぁ」など、主に着物などが華やいだ様子を言い表すものだが、京都の街の空気全般を言うことも少なくない。
 はんなり、は、花なり、から変化した言葉。花は当然のごとく桜である。
 弥生三月が終わろうとする頃から、ぼちぼち桜便りが聞こえ始め、卯月の声を聞くと、京都の街は一斉にはんなりと華やいだ空気に包まれる。
 お江戸のそれとは些か趣を異にする京都の花見。飲めや歌え、とは対照的に、散策の途上、物静かに花を眺める。
 じっくりと花を眺めるなら避けるべきは人の多い昼間。叶うなら早朝か夜更けがいい。
 花とて命あるもの。生命力漲る朝には、清冽な空気の中、生き生きとした色を見せ、或いは夜更け、余計な背景を消し去る闇夜に、妖艶な姿を浮かび上がらせる。
 朝と夜の間は、茶を、菓子を、弁当を愉しみ、お土産を物色するのが正しい京都の春の過し方。
PROFILE
柏井壽
かしわいひさし
歯科医・エッセイスト。旅好きで食通。『京都の値段』(プレジデント社)、近著に『極みのひとり旅』(光文社新書)など。テレビ朝日系列の番組「旅の香り」の旅監修も担当。

撮影:ハリー中西
協力:JR東海ツアーズ


◆京都の四季の移ろいとともにお送りした「京都のほんまもん」は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。


1 まるで絵画のように美しい扇盆に散りばめられた桜の干菓子。 2 店内には生菓子とお抹茶のセット(735円)をいただける茶室もある。

3 暖簾には、はんなりと美しい文字が

1 まるで絵画のように美しい扇盆に散りばめられた桜の干菓子。 2 店内には生菓子とお抹茶のセット(735円)をいただける茶室もある。 3 暖簾には、はんなりと美しい文字が 4 桜の干菓子と蕨型のすはまが詰められた干菓子のセット。見ているだけでも心が浮き立つ。
4 桜の干菓子と蓬型のすはまが詰められた干菓子のセット。見ているだけでも心が浮き立つ。
左京区 「宝泉」の桜と蕨の干菓子 525円、1785円

京の和菓子を見れば
季節の移ろいがわかる

 京都の和菓子。それは季節の移ろいを表すためにあるもの、と言ってもいい。それほどに、姿かたち、色合いを微妙に変化させることで、くっきりと季節を象る。とりわけ干菓子は、小さな菓子の中に写実的に季節を封じ込める。精緻な細工は熟練の職人ならでは。あでやかな春色を纏い、たおやかな姿で春らんまんを謳う。美しきかな京の和菓子。


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宝泉 ほうせん

DATA 住所:京都市左京区下鴨西高木町25 電話:075-712-1270 営業:10〜17時 定休:水曜 交通:市バス洛北高校前下車徒歩4分


東山区 「辻留」の花見弁当 5250円

料理人の確かな技術が光る
申し分ない花見のとも

 京都の花見に最もふさわしきは花見弁当。縁台に広げた毛氈、もしくはベンチに腰掛けて食べたいもの。青いビニールシートの上で、コンビニおつまみや焼肉の煙もうもう、など言語道断。まるで花びらが散ったかのような美しさを湛える「辻留」の花見弁当なら申し分ない。料理人の確かな技と、心くだくる思いがびっしりと弁当に込められている。


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辻留 つじとめ

DATA 住所:京都市東山区三条大橋東3丁目 電話:075-771-1718 定休:無休 交通:京阪電鉄三条駅から徒歩3分
1 ひっそりと慎ましやかな風情だが、重々しい格調が滲む外観

2 家元御用達の辻留だからこその暖簾
3 内容はその日の仕入れによっても変わるが、春らしい木の芽和えや蓬のうま煮のほか、花見団子に見立てた三種のだんご、桜の葉巻寿司など、どのお料理からいただこうかと迷う

1 ひっそりと慎ましやかな風情だが、重々しい格調が滲む外観 2 家元御用達の辻留だからこその暖簾 3 内容はその日の仕入れによっても変わるが、春らしい木の芽和えや蓬のうま煮のほか、花見団子に見立てた三種のだんご、桜の葉巻寿司など、どのお料理からいただこうかと迷う


1 桜色のサシェはバッグに入れて持ち歩けるミニや、タンスの引き出しやお部屋に飾れるタイプがあるので、用途に合わせて購入しよう

2 サシェのほか、人気の俵屋ソープや食器、ナイティやリネン類なども販売している
3 京都でしか手に入らない遊形グッズはいまやブランド

1 桜色のサシェはバッグに入れて持ち歩けるミニや、タンスの引き出しやお部屋に飾れるタイプがあるので、用途に合わせて購入しよう 2 サシェのほか、人気の俵屋ソープや食器、ナイティやリネン類なども販売している 3 京都でしか手に入らない遊形グッズはいまやブランド
中京区 「ギャラリー遊形」のサシェ 麻生地のサシェ 1890円 シルクサシェ 840円 ミニサシェ 1365円 (2個)

キレイな桜色のサシェは
お土産にも自分用にも

 京都を代表する名旅館「俵屋」は、京都を旅する者全ての憧れ。けして敷居は高くないのだが、そのあまりの人気ぶりに予約はなかなか叶わない。ならばせめて、その空気を感じ取れる「俵屋」グッズをスーヴェニールにしたいもの。優れたデザイン、豊富なアイテム。目移り必至の店内でひときわ目を惹くのが桜色のサシェ。バッグに忍ばせれば春が香る。


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ギャラリー遊形 ぎゃらりーゆうけい

DATA 住所:京都市中京区姉小路通麩屋町東入ル 電話:075-257-6880 営業:10〜19時 定休:第1・3火曜(4、5、10、11月は無休) 交通:地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩5分


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