奥の細道の旅に出た松尾芭蕉は、鳴子(なるこ)を越えて出羽街道を山形方面へと向かった。このあたりは、川渡(かわたび)、東鳴子、鳴子、中山平と続く温泉街道なのに、芭蕉が湯に浸かったという記録はない。急峻な山を目の前にして旅を急いでいたのであろう。
しかし、深い山々が育む湯は400本を超す源泉を生み、芭蕉が通った尿前の関の先には深さ100mの鳴子峡を作り出した。10月下旬、一帯が紅葉に染まる景観は、息をのむほどの美しさとなる。温泉と紅葉、1年で最も魅力的な季節はすぐそこまで来ている。
大谷川(おおやかわ)に架かる大谷橋から中山平温泉までの2.5kmは断崖と奇岩が続く景勝地。東北屈指の紅葉の名所で、渓流沿いの遊歩道もある。電話:0229-83-3441(鳴子観光・旅館案内センター)交通:JR鳴子温泉駅から車で5分




川渡、東鳴子、鳴子、中山平、鬼首(おにこうべ)の5つの温泉地を総称して鳴子温泉郷という。源泉数は400本以上あり、国内にある11種類の泉質のうち9種が湧き、温泉の効能や泉質の良さには定評がある。昔から湯治場として栄えただけに、東鳴子、川渡、中山平の温泉地は今なお当時の雰囲気を色濃く残す。源義経にまつわる伝説や松尾芭蕉の足跡も残る歴史の地でもある。電話:0229-83-3441(鳴子観光・旅館案内センター)


共同浴場は温泉街散策の楽しみの一つ。鳴子温泉には昭和23年に早稲田大学の学生がボーリング実習中に湧出したという鳴子・早稲田桟敷湯と温泉街で一番古い木造の共同浴場の滝の湯の2つがある。鳴子温泉駅前には無料で利用できる足湯も備えられている。電話:0229-83-3441(鳴子観光・旅館案内センター) 交通:JR鳴子温泉駅から徒歩3〜7分 料金:入浴料早稲田桟敷湯530円、滝の湯150円 営業:8時30分〜22時(滝の湯は7時30分〜) 定休:無休


JR陸羽東線は鳴子温泉を過ぎると山形県に入る。沿線には赤倉温泉と瀬見温泉を有する最上温泉郷、宮城県側には鳴子温泉郷もあることから「奥の細道湯けむりライン」と呼ばれる。赤倉温泉は慈覚大師が発見したという熱泉で、湯量豊富なことから全旅館が源泉を引き、かけ流しの湯を楽しめる。瀬見温泉は源義経や弁慶の伝説の地。北の方が義経の子、亀若丸を出産した際、産湯を探しに出た弁慶が川辺に湯煙を見つけ、なぎなたで岩を砕いたところ湯が湧き出たのが瀬見温泉の始まりという。電話:0233-43-2233(最上町観光協会)
仙台宮城デスティネーションキャンペーンに合わせてJR陸羽東線に「リゾートみのり」が10月1日(水)より毎日1往復運行される。紅葉に染まる沿線を深緋色と漆黒との組み合わせ色の高級感ある車体が走る風景は、鉄道ファンならずともワクワクする。
区間/仙台・小牛田〜新庄
期間/10月1日〜12月31日
(12月15〜20日は運休)
土・日曜・祝日は仙台〜新庄
平日は小牛田〜新庄

童話作家・深沢要のコレクションを中心に、高松宮殿下からの下賜品や東北各地のこけし約4000点を展示。
電話:0229-83-3600
交通:JR鳴子温泉駅から車で5分入館320円
営業:8時30分〜17時(12月は9〜16時)
定休:無休(1〜3月は休館)
中山平温泉の温泉熱を利用した熱帯植物園。大きなガラスドームの温室内には高さ15mもある大サボテンをはじめ、熱帯植物や果樹が生い茂り、日本最大の蝶、オオゴマダラが飛ぶ。アフリカ、インド、タイなどの木彫りの民芸品や楽器などを展示する松本コレクションギャラリーを併設する。電話:0229-87-1030 交通:JR鳴子温泉駅から車で10分 料金:入園500円 営業:8時30分〜17時(12〜1月は〜16時30分) 定休:無休
鳴子温泉郷や最上温泉郷の湯を楽しむなら「湯めぐりチケット」1枚1200円(シール6枚付き。施設により必要なシール枚数が異なる)がお得。2つの温泉郷の約90軒の宿や日帰り入浴施設の風呂を利用できる。電話:0229-83-3441(鳴子観光・旅館案内センター)
「ゆきむすび」とは鳴子で品種改良されたお米。10〜12月には宿や飲食店でおにぎりや寿司、炊き込みご飯などで提供される。







